08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

ダンナは知らんぷりをする

2015/11/29
先日帰宅したら、マイナンバー通知カードの不在票がポストにありました。
やっと来たか…という感じ。それなら天気もいいしウォーキングしながら郵便局に受け取りに行くかと思っていたら、ダンナからLINEが来て「仕事が早く終わったのでこれから帰る」とのこと。
それならば一緒に街まで出ていって昼ごはんでも食べようかということで、気乗りしないままダンナの帰宅を待ちました。
ふたりなら私は電車で行くつもりだったのですが、帰宅したダンナは「あったかいからチャリで行こう」と言うので、もう私は心底行く気が失せてしまいました。

その日は土曜日。街は人で溢れかえっています。
土日の外出は私は最小限に留めているのですが、ダンナが休みだと出かけようというのでいつも気乗りがしません。電車も嫌ですが、自転車だともっと憂鬱になります。
私はうつになってから、自転車に乗るのが億劫になってしまいました。

以前はダンナは愛車のマウンテンバイク、私は愛車のクロスバイク(両方とも本格的なものではなく、やっす~いやつです)で連なってよく遠くまで走りに行ったものでした。往復で60キロくらい走ったこともあります。
風を切って川沿いのサイクリングコースを走るのは本当にいい気分で、週末になると今週はどこそこまで行ってみようと計画を立てて出かけ、お昼は川辺で透明な水の流れや対岸の景色を眺めながら、おにぎりを頬張ったり…。
本当に自転車に乗って出かけるのが好きだったのです。
けれども今では、荷物の多い時、近くのスーパーに行くために仕方なくちょこっと乗るだけで、私の愛車は駐輪場で埃まみれになっている状態でした。

他のうつの人は、車の運転や自転車に乗るのって大丈夫なんでしょうか?
私は駄目で、前方から子供が自転車で並走してきたり、おじいさんがふらふらと歩く横をすり抜けたりするのが本当に嫌になってしまい、嫌になるどころか怖くなってしまってさえいます。
何故こうなってしまったのか自分でも判らないのですが、前にも書きましたが、多分周りに無駄なアンテナを張り巡らせているために集中力が削がれ、「自転車に乗る」という行為が純粋に楽しめなくなっているのだと思います。

ダンナはもう行く気満々なので私は仕方なくデパスを念のために飲みました。
道々苦痛でたまらなく、人で溢れかえっている店で食事をするのも辛かったです。

ダンナは私の病気に対して無関心です。
無関心というよりも、彼は「私が病気である」ことを見て見ないふりをしています。
彼にとって「うつ病」というものは理解しがたいもので、彼の中には存在すらしていないのかもしれません。

私がおかしくなって、会社を辞めることにした時、ダンナにそう告げました。
私達は普段からお互いの会社の話はあまりしなかったので、この時初めて自分の会社での状態、辞めることになった経緯などを話しました。
そして「ごめんね。」と謝りました。
この頃の私は自分を責め、謝ってばかりで、「自分がこんなに弱くてごめんね、情けなくてごめんね…」そんな意味合いで言ったつもりでした。ところがダンナは怒って怒鳴りだしたのです。

「しつこいんだよ。『会社辞めるよ』『はいそうですか』でいいじゃない。しつこいんだよ!」

今思うと彼もこの頃仕事が忙しく、出社は早朝、帰宅は午前様の毎日で疲れていたのだと思います。
自分のことで精一杯だったのかもしれません。
私は突然のことに固まり、自分の部屋に引き籠って泣き出してしまいました。
この時のやり取りは、今でも心の中に深く残っています。

それから心療内科に通い始め、うつ病と診断された訳ですが、その事実も一応ダンナには告げました。
誰かに聞いて欲しかったのです。
ところが全く無関心で、「ふーん」といったリアクション。
私は理解して欲しくて、病院でもらってきた「うつ病とは」のような小冊子をわざわざ見えるところに置いておいたりしたのですが、彼が読んだ形跡がいつまでたってもないので捨てました。

「私はダンナのお荷物なんだ」「ダンナはこんな私はウザいんだ」
そう思ってしまい、彼と話すことはおろか、顔を見ることも出来なくなってしまいました。
朝、暗いうちに起きて何とか彼のお弁当を作り、部屋に籠って薬を飲んで眠り、彼の出かけた後に起き出す。
夜は食事の用意だけして、帰ってくる前に部屋に籠って眠ってしまう…そんな生活をしていました。
そのうちだんだん私が回復してきて、会話はできるようになりましたが、彼は相変わらずでした。

以前、食事の時に何となく「だいぶ良くなったよ。最初の頃は泣いてばかりいたんだよ。」と告げると、彼はただ笑うだけだったので、何だか失望したのを覚えています。
ハロワに行き始めたと告げた時も、「今度は近くのところにしたら」とだけ言われました。

それからは、病気の治療のこと、今現在の状態…などなどについて、一切私は彼に話すのを止めました。
話しても彼には意味のない、興味のないことだと思ったからです。
彼は私を気遣うようなことも言わないし、しません。全く普通に接してきます。
なので私も調子の悪いときもそれを出せずに、努力して全く普通に接するようにしています。

「休日は外に出たくないの。人が多いと苦しいんだよ」
「上階からの音が気になって耳栓して暮らしてるんだよ」(だから時々、会話が聞こえないんだよ)
「仕事を探してるけど、なかなか決まらないの。自分の中でまだ色々勇気が出ないのかもしれない」
こういった本当は色々話したいことも、一切彼には言えないでいます。

無口で不器用な彼は彼なりに、遠巻きにして放置することで、私を気遣っているのかもしれません。
自分に都合の良い見方をすれば、わざと距離を置いてくれているのかもしれません。
けれども私には、それが「面倒くさいことに関わり合いになりたくない」と思っているように見えて仕方がないのです。
決して、気遣って欲しい、一緒に頑張ろうと言って欲しい…などと甘えたことを言っている訳でありません。
ただ、「わたしが病気である」ことは、何もないことにせず、受け止めて欲しかったのです。
それだけなんですが…。

──でも、最近ふと思うことがあります。
……もしも逆の立場だったら、私は彼にどう接しているんだろうなあ。




ももと同じくらい低い目線で部屋を見てみたり。

1448781004449.jpg





★よろしかったらポチッとお願いします。励みになります…★




22:10 うつになって感じたこと | コメント(2)
コメント
こんばんは。読んでいて切なくなりました。一番つらい時、一番そばにいてくれる人に理解してもらいたいですよね。
無理だとわかっていても・・・うちは逆に言葉で畳み込みにきます。
面倒になります。悲しいです。
nagoさんへ
いつもコメントありがとうございます。励みになります!

ダンナはメンタル面が鋼のように強いタイプなので、身体的ではなく精神的な病気のことは多分あまり理解してない…というか範疇外なのだと思います。
色々な人がいるし、傍にいる人が何もかも自分が望む通りの人だとは限りませんものね。
あきらめて(笑)自分は自分でしっかりしようと思います。

管理者のみに表示