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ただ、そっとしておいて…

2016/05/05
先日の記事に「自分でもびっくりするくらいのポジティブ思考に突き動かされて毎日出歩いている」と、意気揚々と書いた私ですが、さすがに4日、5日の人ごみは半端ではなく、街なかでクラクラ眩暈がしてしまい、不意に不安感に襲われて慌てて帰ってきました。
ここのところ、朝の二度寝(結局我慢できずに寝てしまっている)の後の覚醒がすっきりとせず、起きた瞬間から胸の中に物凄くざわざわ感があるのです。
不安はとても漠然としていて、具体的に何が不安なんだ、と言われても答えられません。
そのまま家にいてじっとしていても不安感が増すだけなので、外出してみたのですが無謀でした。
しばらくは様子を見ようと思います。
せっかくのポジティブ思考に最早ついていけなくなっている私の身体です…。

ところで。
先日の記事にちらっと書いたのですけれども、6月末に仙台に行くことになりました。
これがプライベートな「旅行」ならば、不安を感じつつも少しは楽しみの種にもなるのですが、残念なことにそうではありません。
親戚が仙台で結婚をするのです。
式は挙げず(後日友人たちを呼んで披露パーティみたいなものはするそうですが)、親戚同士が集まって夜に親睦を兼ねて食事会をするというので、それに出席しなければならなくなりました。
私の父の弟の娘…つまり従妹なのですが、あまり仲良くもなく、交流も殆どありません。
なのに何故、敢えて私が行かねばならなくなったかと言うと、私の実家の方は元々親戚が少ないのですが、このままでは新婦の家族以外、誰も出席できない…と言う状態に陥りそうだったからなのです。

というのも、父方の叔母は末期の肺がんでホスピスにいる状態、そして招待を受けた両親はふたりとも高齢でしかも持病持ち…父は肺気腫で長い移動はとても無理、母は高血圧で最近状態が悪化していて予断を許さない状況…妹は子供がいるので無理な訳で、このままでは新婦側から誰も出席しない可能性が出てきたのです。
それでもいいじゃないか、と私は思うのですが、父は叔父に対して申し訳なさを感じてしまった様で、ちいももの世話はするから、代わりに行ってくれないかと私に白羽の矢を立ててきました。

──冗談じゃありません!

私の今の状態を知っている筈なのに、何故そんなことを言うのか。
ひとりで東京駅まで行き、新幹線に乗り、そして見知らぬ(従妹家族はいますが)人たちと緊張しながら食事をするなんざ、今の私にはとても無理です。考えただけで動悸がして来ます。
「それならば、◯◯ちゃん(ダンナ)は一緒に行けないのか」とまたまた無謀なことを言う父。
食事会をするのは迷惑なことに平日の夜で、慌ただしいので一泊になるし、ダンナは仕事で行ける訳がありません。
この話が私に持ち込まれたのは4月の半ばだったのですが、私は即座に断りました。

ところが、しばらくしてまた父から懇願の電話がありました。
どうしても行けないのなら、自分が頑張って行って来る…と言います。
叔父に対しての負い目も面子もあるし、父は私の病気のことを知っていて、その上で頼み込んできている訳なのでよっぽどのことなんだろうな…と、そう考えたら私も頑として断ることが出来なくなってしまったのです。
ただし。
「一人では不安だし、パニック発作が起きたりしたら怖くて絶対に行けない。ダンナが溜まってる代休(溜まりまくっていて会社からも取れと言われている)をもし取れるようなら二人で行く」
…と返事をした訳です。

ダンナが代休取れないといいな…などとちらっと思う悪魔な私でしたが、ダンナにこのことを話すともう乗り気です。
「まだ判らないけど、もう少ししたらスケジュールが上がって来るから、そしたら言ってみる」等と笑顔で言い出す始末です。
それで結局、4月の終わりになって、無事ダンナは6月に代休をとれることが決まり(あーあ)、私の仙台行きが決定したと言う訳なのです。
ダンナは本当にポジティブな性格で、見ず知らずの人達と食事をすることや、幾度も顔を合わせていない私の親戚に会うことの煩わしさなどには何の抵抗もない様です。
「仙台って言えば牛タンだよね、あと笹かま。」などと、旅行気分でネットで色々調べています。
そんなダンナを尻目に、私は気分が沈んでいくのを止めることが出来ませんでした。

それというのも。叔父や叔母(叔父の妻)は、私のこの病気のことを知っているからなのです。
(父は何でも話してしまう・・・)
どういう顔をして彼らに会えばいいのか、考えただけで胸に重石を乗せられたような気分になります。
叔父はともかく、私はこの叔母が初対面からとても苦手で、出来れば接触したくないタイプの人です。
「結婚するべき」「子供を産むべき」という全身ステロタイプに塗れた思考の持ち主で、人の気持ちを考えずにずけずけと物を言い、それを「私は黙ってられない。言いたいことはズバズバ言う、大らかな人間なの。」と勘違いしている人種…私が世の中で最も苦手とするタイプの人なのです。
今まで親戚の集まりなどで、何度腹を立てたか判りません。
私のダンナを最初に会わせた時、開口一番「なんだ、まだ子供じゃないの~」(ダンナは確かに若く見られます)と言い放った人なのです。
そんな彼女に、病気のことを根掘り葉掘り聞かれるのかと思うと、従妹の結婚を祝福してあげる余裕もなく、ついでの仙台観光なんかもうどうでもいい気分です。

うつ病患者に対して、健常者の他人の取る態度は千差万別です。
理解しようと必死に話を聞いてくれる人、遠巻きにして眺める人、異常に同情してくれる人、そして「うつ」という病気を全く受け付けず、最初から認識していない人…。
悲しいけれども、うつ病患者のこの闇は、経験した人にしか判りません。
私がもし健常者で友人がうつだとしたら、理解しようと努めるでしょうが、きっと彼女の本当の深い闇には触れることが出来ません。
うつ病患者本人にさえきちんと把握できない自分の病状、心情を、受け止めようと見捨てずに食い下がってくれる人はごく僅かです。
これは仕方のないことだと思います。
理解してくれようとするだけ、見捨てないでいてくれるだけでもこんなに有難いことはないのです。
が、健常者の中には、「うつ病は病気ではない、ただの逃げだ。甘えだ」「メンタルが弱いのだ」という認識を持っている人も沢山存在していて、「うつ病」だと言うと厄介だと眉を顰める人が多々いることも事実です。

理解してくれとはいいません。
それはただの甘えだと思うからです。
ただ、そっとしておいて欲しいのです。
自分の価値観を押し付けて、うつ病の人間を追いつめるようなことだけは避けて欲しい…というのが私の素直な気持ちです。
うつ病の人間は、全てにおいて感覚がネガティブ方向へ過敏になっています。
何のことはなくかけた言葉が、うつ病の人の心ををかき乱し、壊すことになるかもしれません。

さて。
着て行けるようなワンピース一着も持っていない私は、両親がお金を出してくれると言うのであちこち服を見に行っては試着しています。こういうの何年ぶりだろう…。
ホテル代や交通費は従妹側が持ってくれる(当たり前だ)というので、慌てて「手配は自分でやるから!」と叫ぶ私。
親戚と同じ新幹線、同じホテルなんかにされてしまったら、間違いなく耐えられずにパニック発作が起きるに決まっています。
なるべく叔母との接触を少なくしたいのですが…それでも多分、平静を装い、固い笑顔で叔母の質問攻めに答える自分を想像してしまっている私です。

──態度には出せない気の弱い私…。





家メガネがとうとう壊れたので、仕方なくJINSで安いやつを買った。
フレームが柔らかくて心地が良い。
しかしZoffもだけど、メガネケースがダッサ…。
タダだから文句は言えないけど。

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22:30 うつになって感じたこと | コメント(4)
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