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服ぐらい買ったっていいじゃないか!(貧乏日記)

2016/03/30
3月29日(火) 晴れ

どうしても行かねばならない用事があるので街に出た。

支度も含めて出かけるのが億劫で仕方なく、用事は全て自宅の最寄り駅で済ませているのだが、小さな田舎の駅なので、事足りないことが多い。そうすると仕方なく電車に乗って街まで出る。
また例によって、毛玉だらけのニット帽に着古したパーカー、ジーンズにすっぴんマスクといういでたちである。
うつになってから身なりにとんと構わなくなった。

改札を抜けようとしたらピンポーンとやられ、残高を見ると初乗り金額も無い。
全くPASMOも落とした時のために千円単位でしかチャージしないのですぐ無くなる。
これも今の貧乏状態ではかなりきつい出費だ。
一瞬、天気も良いし3駅分だから歩こうかと思ったが(昔は歩いていた)、今の体力と気力では無理だと言う結論に落ち着き、渋々チャージ機に向かう。

久しぶりの街は春休みに入ったのか(?子供がいないので良く判らない)人が多い。
人いきれと騒音にやられて街の駅で早くもぐったりする。
さっさと用事を済ませ、ついでに銀行廻りをして、さあとっとと帰ろう…とした時に私はそれを見つけてしまったのだ。

「REDBROS.」のセールやってる!

「REDBROS.」はオリジナルTシャツのブランドで、ユニークなものが多いので好きなのだ。
前にネットで通販サイトを見つけてから気になっていた。

金銭的に今、そんな余裕はないのだが、私は取りつかれたようにふらふらと売り場に近寄ってしまった。

若い頃、私は「買い物依存症」気味のところがあった。
都内に家があるにもかかわらず、はやく自立したかった私は就職すると殆ど同時に家を出て、一人暮らしを始めた。
その頃の少ない給料で払える家賃なので、当然のごとくこじゃれた所には住めず、駅からは遠く、壁の薄い安普請の汚いアパートの一階に住んでいた。けれどもその頃は若く、まだまだ精神的にも鈍感でタフであったので、騒音なんぞ気にも留めなかった。(あの頃の精神力が欲しい…)

月の収入は家賃と光熱費、そしてほとんどが酒とタバコ代と洋服や化粧品に消えていた。
食費なんぞ一人なのでたかが知れているし、飲酒しているとツマミ程度でお腹がいっぱいになってしまう。
朝は抜き、昼は弁当を作り、夜はひたすら飲酒という、今思うととんでもない食生活をしていた。
けれども若いので、身体に特別何のダメージも感じず、それで充分だったのだ。
部屋には所狭しと買った洋服や化粧品が並べられ、食べるものがなくてもそれでも欲しいものは買っていた。
勿論、安月給なのでそう高価なものは買えない。「安物買いの銭失い」を地で行っていた。
あの頃のカードの使いっぷりはきっととんでもないと思う。
またその頃住んでいた街が「若者の住みたい街」とやらでいつも上位にいるようなところだったので、休みの日にも、平日早く帰れた日にも、靴や洋服、雑貨などで溢れ返っている街を徘徊しては色んなものを買っていた。
一度、実家に帰ろうとして交通費がなく、両親に呆れられたことがある。
両親に借金もしたことがあった。

その頃は自分を「着飾る」ことに私は夢中で、ファッション誌を読み漁り、流行を取り入れた服や靴や化粧品(安物をたくさん買うタイプ)を買いに買いまくっていた。
今思うと、あれは「ストレス」のなせる所業だったのでは…と思うのだ。
就職して慣れない仕事や人間関係にげんなりしていた私は、「買う」ことでストレスを発散させていたように思えてならない。
そのうち、「買ってきた」ことだけに満足してしまい、袋を開封することもせず部屋に放置しておき、それを買ったことを忘れてまた似たような物を買う…という失敗まで犯すようになってきた。
けれどもあの頃は、金銭的に余裕がなくなるまで、「物を買う」ことが止められなかったのである。
結婚してからは少しは落ち着いたが、相変わらず「衝動買い」の癖は治らなかった。

おかげでその頃の戦利品(洋服)が今も役に立っている。
あまりに奇抜な流行を追いすぎているものは駄目だが(でも最近リバイバルがあるので迂闊に捨てられない)、今は着るものなんかどうでもいいし欲しいとも思わないのでそれらを家で着まわしている。


そんな私だったが、久々に「洋服が欲しい」と言う気持ちがむくむくと頭をもたげてきた。
うつになってからは初めてに近いことだった。
そして見つけてしまったのだ。

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……買うしかないでしょう!コレ!!


二枚買うと安くなるシステムになっていたのだが、さすがに二枚買うのはキツイ。
でも、ちいも、ももも(勝手に例えてる)どっちかなんて選べない。
私は商品を手に取り、しばらくその場でフリーズして壊れた脳をフル回転させた。

…だめだ。
どこをどういじっても、今の状況では余裕がない。
どこからもこれらを買うお金が捻出出来ない。
私には自由になるお金がない。
…ないないづくし。

そう思って、あきらめて渋々棚にシャツを戻そうとした時、不意に猛然と怒りが湧いてきた。

服ぐらい、たまには買ってもいいじゃないか!

好きだったオールフリーを飲むのも止めたし、昼ごはんはおにぎり一個。
化粧もしなくなったので、その分お金もかからない。
あんなに読んでた雑誌も本も、集中力がなくなり読めなくなったので、もう何も買わない。
どこかへ遊びにいくこともなくなったので、交際費も滅多にかからない。
確かに今、私は仕事をしてなくて、使えるお金は全てダンナが稼いだもので、私はダンナに寄生している。
家事もろくにできないダメダメ無職主婦だけど。
好きでこんな病気になった訳じゃない。

──洋服くらい、たまには買ってもいいじゃないか!

…何だか抑圧されたものが一気に反動で噴き出したような感覚だった。

──で。
買ってきてしまいました。
どうしよう……。
本当に久々に、我を忘れて衝動買いをした。
家に帰ってから現実に戻り、落ち込む私であった。
だけど、並べてにこにこ(笑)
やっぱり買ってよかったな。

買い物もたまには浮上する手助けをするんですねー!(自分を正当化しようと必死な私)



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16:23 日々あれこれ | コメント(6)
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