唇をハサミでジョキジョキされた話
2016/03/09
今日は心療内科でした。
ざわざわ感は薬の副作用であるのかもしれないが、もう少し様子を見るとのことで落ち着きました。
以前よりは大分ましになり、ざわざわ感のない日も増えて来たので、私もそれで納得です。
聴覚過敏の方は相変わらず駄目で、一日のうち5分でも良いので耳栓を外してみるようにとまた言われてしまいました。
「いきなり外して一日過ごすっていうのは絶対に無理だから、少しずつ様子を見て外して行けるように段階を踏んでね。」
……無理です、先生(泣)
一度、このままではいけないと奮い立って家で試してみましたが、5分と経たないうちに不安感が強くなり、動悸がしてきたのでデパスをODしてしまいました。
果たして私に耳栓をせずに生活できる日が来るのでしょうか。
次回は血液検査を行うとのことで、しかも夕方の時間帯しか予約がとれずに落ち込んで帰途につきました。
その時間帯では薬局も激混みだし、間違いなく帰りはラッシュにぶつかるでしょう。
二週間後のことを思い、今から憂鬱な気分で冷たい雨の中を歩きました。
ついこの間までの暖かさが嘘のように、今日は寒の戻りで肌寒い一日です。
こういうふうに気温差の激しい時、私は唇が痛くなります。
何故かというと、もう十年以上前になりますが、私は唇の手術をしたのです。
唇の内側にあるその跡がしこりみたいになっていて、そこがじくじくと疼くのです。
その頃、私は入籍したばかりのダンナともう一緒に住み始めていました。
働いていましたが、勤務地は遠く、家事や結婚式の準備などに追われ、くたくたになって急性胃腸炎で緊急入院したり、散々な日々を送っていました。(詳細はこちらに)
しかしそれだけでは済まなかったのです。
ことの発端は、本当にちょっとしたことで。
会社で階段を下りている途中、ぐぎっと唇の内側を噛んでしまったのです。
飴か何かを口に入れていたのかもしれませんが、もうよく覚えていません。
ただ、異様に大きな「ぐぎっ」という様な音がして、酷い痛みに襲われました。
「ああ、ここ口内炎になっちゃうかも。嫌だなあ、結婚式が近いのに…」くらいにその時は思っていたのですが。
数日経って、私は口の中に違和感を感じました。
鏡で恐る恐る見てみると…。
口内炎どころか、唇の裏側が大豆くらいにぷっくりと丸く腫れているではありませんか!
私は慌てて歯医者に駆け込み、塗り薬と抗生物質の飲み薬(だったかな?)をもらって数日様子を見たのですが、腫れはどんどん大きくなるばかりで、一向に治まる気配がありません。
歯医者に再び行くと、
「これはここでは治せない。大学病院を紹介するので、そちらで診てもらった方がいい。」とのお言葉。
私はもう、半泣き状態で大学病院に駆け込みました。
すると、噛みどころがどうも悪かったそうで、唇の裏側にある唾液腺をざっくりと歯で切断しちゃったみたいなのです。
潰れた唾液腺のところにこぶができ、そこに分泌された唾液が溜まりに溜まっているとのこと。
放置しておくと、溜まった唾液は自然に吸収されますが、また溜まってこぶが膨らむと言うのです。
「これは手術してこぶを切り取らないとダメだね。」
私は青ざめました。数日後には結婚式が控えていたのです。
こぶはどんどん大きくなって、もはや唇がちゃんと閉じられない大きさにまで膨れ上がっていました。
先生にそれを訴えると、「それでは応急処置をしておいて、手術は結婚式の後にしましょう。もしものことがあっては大変なので。」
──もしものことって何!!!?
その時は溜まった唾液を抜いてもらって、手術の日取りを決めて帰った気がするのですが、あまりのショックに私はふらふらと電車に乗り、絶望しつつ帰宅したのを覚えています。
なんだってこんな時に!この間入院したばっかりだと言うのに!
(後で気が付いたのですが、厄年でした)
結婚式までにまた唇が腫れてきてタラコみたいになっちゃったらどうしようとか、悪夢にうなされ、散々心配しましたが、何とか無事に式を挙げることができました。
けれども結婚式の時の写真を見ると、どの写真の私も不自然に口を開けているのが判ります(笑)
その後、改めて大学病院で手術をしたのですが、もう散々でした。
下唇をびろーんと下にまくり上げられた形で両側からがっちり固定され(いかりや長介か私は)、珍しい事例だと言うので、先生の背後には、興味津々な様子の若い研修医の集団が。その視線は私の唇に釘付けです。
──もうほんと、まだ若かった私は恥ずかしさで死にたくなりましたよ、あの時は……。
そして麻酔をして、手術が始まったのですが。
この話をダンナにしたら「うそだあー。」と言われたんですが、メスじゃなく(まあ切れ込みは入れたかもしれないけど)、ハサミでジョキジョキと切られました。
局部麻酔をかけられた私は意識はしっかりあったので覚えているのですが、メスですーっと切られるとばかり思っていたので、目を閉じた頭の中にいきなり「ジョキジョキ」という鈍い音が響き渡ったので驚愕しました。
切ったものを見せてもらったんですが、白いなめこみたいでした。
それを見て「おー」とか「ほー」とか言ってる研修医達……(泣)
手術は日帰りで、帰宅してこれまた恐る恐る鏡を見たら、黒い糸で思いっきり大雑把に縫われていました。
赤い口の中に黒い糸…。
この絶妙な色のコントラストにぞーっとしたのを覚えています。
(麻酔無しなので抜糸が一番痛かった)
そんな訳で、目立った傷跡こそ残っていませんが、今も舌で触るとこりこりとしたしこりがあるのが判ります。
十年以上経ってもこのしこりは消えないので、もうこのままなのでしょう。
今日のように急に寒くなったりして、このしこりが疼くたびに、あの「ジョキジョキ」という不快な音が耳の奥で響きます。そして思い出して身震いする私なのです。
──皆様も、口の中噛んじゃうのにはほんと、気をつけて下さいね。
暖かくなってきたので、ちいもなんかサカってます……。
やたらと寄ってきてしつこい。

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ざわざわ感は薬の副作用であるのかもしれないが、もう少し様子を見るとのことで落ち着きました。
以前よりは大分ましになり、ざわざわ感のない日も増えて来たので、私もそれで納得です。
聴覚過敏の方は相変わらず駄目で、一日のうち5分でも良いので耳栓を外してみるようにとまた言われてしまいました。
「いきなり外して一日過ごすっていうのは絶対に無理だから、少しずつ様子を見て外して行けるように段階を踏んでね。」
……無理です、先生(泣)
一度、このままではいけないと奮い立って家で試してみましたが、5分と経たないうちに不安感が強くなり、動悸がしてきたのでデパスをODしてしまいました。
果たして私に耳栓をせずに生活できる日が来るのでしょうか。
次回は血液検査を行うとのことで、しかも夕方の時間帯しか予約がとれずに落ち込んで帰途につきました。
その時間帯では薬局も激混みだし、間違いなく帰りはラッシュにぶつかるでしょう。
二週間後のことを思い、今から憂鬱な気分で冷たい雨の中を歩きました。
ついこの間までの暖かさが嘘のように、今日は寒の戻りで肌寒い一日です。
こういうふうに気温差の激しい時、私は唇が痛くなります。
何故かというと、もう十年以上前になりますが、私は唇の手術をしたのです。
唇の内側にあるその跡がしこりみたいになっていて、そこがじくじくと疼くのです。
その頃、私は入籍したばかりのダンナともう一緒に住み始めていました。
働いていましたが、勤務地は遠く、家事や結婚式の準備などに追われ、くたくたになって急性胃腸炎で緊急入院したり、散々な日々を送っていました。(詳細はこちらに)
しかしそれだけでは済まなかったのです。
ことの発端は、本当にちょっとしたことで。
会社で階段を下りている途中、ぐぎっと唇の内側を噛んでしまったのです。
飴か何かを口に入れていたのかもしれませんが、もうよく覚えていません。
ただ、異様に大きな「ぐぎっ」という様な音がして、酷い痛みに襲われました。
「ああ、ここ口内炎になっちゃうかも。嫌だなあ、結婚式が近いのに…」くらいにその時は思っていたのですが。
数日経って、私は口の中に違和感を感じました。
鏡で恐る恐る見てみると…。
口内炎どころか、唇の裏側が大豆くらいにぷっくりと丸く腫れているではありませんか!
私は慌てて歯医者に駆け込み、塗り薬と抗生物質の飲み薬(だったかな?)をもらって数日様子を見たのですが、腫れはどんどん大きくなるばかりで、一向に治まる気配がありません。
歯医者に再び行くと、
「これはここでは治せない。大学病院を紹介するので、そちらで診てもらった方がいい。」とのお言葉。
私はもう、半泣き状態で大学病院に駆け込みました。
すると、噛みどころがどうも悪かったそうで、唇の裏側にある唾液腺をざっくりと歯で切断しちゃったみたいなのです。
潰れた唾液腺のところにこぶができ、そこに分泌された唾液が溜まりに溜まっているとのこと。
放置しておくと、溜まった唾液は自然に吸収されますが、また溜まってこぶが膨らむと言うのです。
「これは手術してこぶを切り取らないとダメだね。」
私は青ざめました。数日後には結婚式が控えていたのです。
こぶはどんどん大きくなって、もはや唇がちゃんと閉じられない大きさにまで膨れ上がっていました。
先生にそれを訴えると、「それでは応急処置をしておいて、手術は結婚式の後にしましょう。もしものことがあっては大変なので。」
──もしものことって何!!!?
その時は溜まった唾液を抜いてもらって、手術の日取りを決めて帰った気がするのですが、あまりのショックに私はふらふらと電車に乗り、絶望しつつ帰宅したのを覚えています。
なんだってこんな時に!この間入院したばっかりだと言うのに!
(後で気が付いたのですが、厄年でした)
結婚式までにまた唇が腫れてきてタラコみたいになっちゃったらどうしようとか、悪夢にうなされ、散々心配しましたが、何とか無事に式を挙げることができました。
けれども結婚式の時の写真を見ると、どの写真の私も不自然に口を開けているのが判ります(笑)
その後、改めて大学病院で手術をしたのですが、もう散々でした。
下唇をびろーんと下にまくり上げられた形で両側からがっちり固定され(いかりや長介か私は)、珍しい事例だと言うので、先生の背後には、興味津々な様子の若い研修医の集団が。その視線は私の唇に釘付けです。
──もうほんと、まだ若かった私は恥ずかしさで死にたくなりましたよ、あの時は……。
そして麻酔をして、手術が始まったのですが。
この話をダンナにしたら「うそだあー。」と言われたんですが、メスじゃなく(まあ切れ込みは入れたかもしれないけど)、ハサミでジョキジョキと切られました。
局部麻酔をかけられた私は意識はしっかりあったので覚えているのですが、メスですーっと切られるとばかり思っていたので、目を閉じた頭の中にいきなり「ジョキジョキ」という鈍い音が響き渡ったので驚愕しました。
切ったものを見せてもらったんですが、白いなめこみたいでした。
それを見て「おー」とか「ほー」とか言ってる研修医達……(泣)
手術は日帰りで、帰宅してこれまた恐る恐る鏡を見たら、黒い糸で思いっきり大雑把に縫われていました。
赤い口の中に黒い糸…。
この絶妙な色のコントラストにぞーっとしたのを覚えています。
(麻酔無しなので抜糸が一番痛かった)
そんな訳で、目立った傷跡こそ残っていませんが、今も舌で触るとこりこりとしたしこりがあるのが判ります。
十年以上経ってもこのしこりは消えないので、もうこのままなのでしょう。
今日のように急に寒くなったりして、このしこりが疼くたびに、あの「ジョキジョキ」という不快な音が耳の奥で響きます。そして思い出して身震いする私なのです。
──皆様も、口の中噛んじゃうのにはほんと、気をつけて下さいね。
暖かくなってきたので、ちいもなんかサカってます……。
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