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お気に入りの場所でガンガン飲む

2016/02/19
東京は春みたいな陽気が続いてますね。
急にこうなると着るものに困ります…っていうのは仕事をしてた時の話。
今は殆ど引きこもり状態で、化粧もしなければ髪も束ねたまんまなんで、どうでもいい感じです。
誰に見られる訳じゃなし、買い物も近くのスーパーのみだし。
美容院とか病院とか行くときは、一生懸命考えて着るものを一応選んでますが(これがまた決められない)、もう最後はどうでもいいや…という感じで、いつものコーディネートに収まる私。

さて、エビリファイが3ミリから6ミリに増薬となった訳ですが、最初はだるくてだるくて仕方がありませんでした。
以前も一度同じように増薬して、やはり輪をかけて何もする気がなくなり、元に戻された経緯があるので、「増やしましょう」と主治医に再び言われた時、一瞬戸惑いがあったのですが従ってみました。
やはり今回も倦怠感が一時酷くなり、何もする気が全くなくなってしまったのですが、それを脱したら何だか調子が良くなってきています。
上階からの物音にびくつくのは治らず、耳栓もしたままですが、ちょっとは動けるようになりました。
中途覚醒、早朝覚醒もなくなり、なかなか寝付かれない日も時折あったのがなくなりました。
今度は「当たり」だったみたいです。
やはり、以前増薬した時とは、今はもう病状が違うのでしょう。
少しずつ、上がってきているといいのですが…。

元々エビリファイは、うつ病では単体で使われることはなく、「抗うつ剤」の補助的な役割をする薬なので、抗うつ剤のレクサプロを手伝って、うまく効くようにしてくれているのだと思います。
エビリファイ単体でも、ドーパミンの調整(多い時には減らし、少ない時には増やす)や、セロトニンを増やしてくれる作用もあるようですが…。

そんな訳で、やっと洗濯ものを片付け、銀行にも出かけて行き、掃除もざっとですが済ませることが出来て、専業主婦としては当たり前のことなんですけれども、その「当たり前」のことが出来る喜びといったらありません。
これは本当に、経験した人間にしか判らないことだと思います。

家事もひと段落して、私は「お気に入りの場所」に、ブラックコーヒーを持って出ていきました。
私がこの家で、唯一本当に寛げる場所です。
それは自室でもなく、リビングでもなく、…ベランダだという悲しさ!(屋外だよ。笑)
ここでは上からの音にびくつくこともありません。(聞こえる時もありますが)
耳栓をしているので、外の騒音も海の底にいるようにぼわーんと響くのみです。
角部屋(これは譲れない条件だった)なので、ぐるりとベランダがあり、その隅っこに物置があります。
その前に小さなベンチを置いたここが、私の唯一の「安らぎの場所」なのです。


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元々、家の中ではタバコ禁止なので作った「喫煙所」だったのですが、ダンナは面倒くさくて換気扇の下で喫うようになり、私だけがここに来てのんびりするようになりました。
スマホと灰皿とタバコとライターと、飲み物(夜は懐中電灯も)を専用のバスケットに入れていそいそと出ていく私を見て、ダンナは「そこまでするか~」と引き気味ですが。

幸い、周りのマンションとは隣接していないので、階段がすぐ傍にあることを除けば、絶好の場所です。
座ると、空しか見えません。近くにある川の匂いも風に乗ってやってきて、本当に気持ちのいい場所なのです。
一度、テーブルを置いてノートを持ちだし、ここでネットをやろうかと思ったのですが、それだと一日中ここにいそうなので流石にそれは止めておきました(笑)
友人たちとメールやLINEをするのも主にここです。
ここは私の第二の自室のようになっています。

朝は、近所の高校へ登校して行く生徒の微かな嬌声を聞きつつ、風に吹かれてのんびりとし、昼は日向ぼっこしてぼんやりしたり、そして夕方からは徐々に表情を変えていく空の色と、舞い出すこうもりを眺めながら、ひたすらがんがん飲んでいます。
飲んでるのは、今でこそノンアルコールの「オールフリー」ですが、アルコール依存だった時は、風呂上りに気持ちのいい風に身をさらしながら、ひたすらがんがんアルコール飲んでました。
やはりお酒は、野外で飲むのが一番美味しいというのが私の持論です。

皆でワイワイ飲むお酒も好きでしたが、それよりも一人でまったり飲むのが好きだった私です。
けれども家の中の淀んだ空気の中で飲んでいると、かえって冴え冴えとしてしまってちっとも酔えないので、ここで外気を吸いながら、そして空を眺め、ゆっくりと酔っぱらってくるあの溶けるような幸福感が好きでした。
ダンナがよく、「また『居酒屋』行っちゃうの?」とか言ってましたが、その頃のここは、本当に私にとって『ひとり居酒屋』のようなものでした。
今ではお酒がノンアルコール飲料に変わっただけで、この習慣だけが残った訳です。
(でも厳密にいうと、これでは「アルコール依存症」の完治にはなってないそうですが…。)

嬉しい時も、会社で嫌なことがあって落ち込んでいる時も、上階からの騒音が怖い時も、いつでもここに来て、ただひたすら飲んでました。
アルコール依存というのは恐ろしいもので、「飲まないと自分でいられない」気がするのです。
落ち込んでいる時、怒っている時、嬉しい時、いつでも私はお酒と共に生きてきました。
それぞれの時によって味は違うのですが、あのまったりとしたほろ酔い感(私は滅多に泥酔しないのです)を味わう一瞬のために、毎日を生きていたようなところがあります。
お酒が好きだったのか、飲んで自分が誘われる、あの心地よい感覚が好きだったのか、断酒した今となっては判りませんが。

そして私の脳が疲弊して、上手く働かなくなってからは、ここは全てのものから「逃げ込む場所」になりました。
嫌なこと、傷ついた思いを忘れるため、アルコールをここで飲むのですが、アルコールはかえってその辛い気持ちを時に増幅させ、何度も反芻させ、ますます私は暗い海の中へと潜り込むような飲み方をするようになりました。
酔った状態で、じっとベランダから下を覗き込んだり、何度していたか判りません。
きっと一番「死」が近い瞬間でした。

あの頃の私は、間違いなくボーダーラインギリギリのところにいたんだなあ…と、今日もここにいて回顧する私なのです。






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18:16 日々あれこれ | コメント(4)
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