「ただひたすらに海と風」~うつ旅行記その2~
2016/02/11
今回の旅行で、私はひとつ試してみようと思っていたことがありました。
それは「どうしてもダメな時以外は耳栓をしない」…ということです。
普段の生活で私は、入浴時と外出して誰かと話さなければならない用事の時以外、常時耳栓を装着して暮らしています。
家にいる時は、外から漏れ聞こえる子供の嬌声や人の笑い声、そして上階からの物音が怖く、外出時はざわざわとした喧騒がダメで、あらゆる「音」に恐怖さえ感じて毎日びくびくと怯えて暮らしています。
この「聴覚過敏」の症状は、発病以前からあったものです。
うつの治療を始めても、こればかりは全く改善されることがなく、主治医に「一日のうち数時間でもいいから耳栓を外す努力をしてみて。」と言われていたのですが、なかなか出来ないでいたのです。
そのため、家でもダンナとコミュニケーションが取り辛い時もあり(ダンナは低い声でボソボソと喋るので、たまに何言ってるのか聞き取れない)、まあそんなに会話もない夫婦なので(笑)、何とか乗り越えているのですが。
(ちなみにダンナは私の耳栓にも触れることなく、見て見ないふりをしてくれている…と思います)
けれども。
敢えて観光名所ではなく人の少ない場所を選び、しかも平日であってそんなに喧騒に出くわすこともないだろうと思い、自分が「どうしても無理だ」と感じた時以外、初めて耳栓なしで過ごしてみよう、と思っていました。
「非日常」の中でなら、出来るかもしれない…そう考えていたのです。
その反面、「やっぱりダメかもしれないなあ」と尻込みしたり。
試してみようと決めてからは、毎日葛藤でした。
白浜は人も少なく、観光バスで大挙して押し寄せるツアー客もいません。ホテルでも子供連れのお客さんを見たのは食事の時に一回きり。ロビーも人で溢れかえって…という状態ではまるでありませんでした。
バスの中ではずっとiPodで音楽を聴いていたので、ほぼ耳栓をしていた状態と同じです。
ホテルに着いて私は恐る恐るイヤホンを外し、途端に飛び込んでくる様々な音に身を任せることにしたのです。
ホテルの近くに灯台がありました。
フロントの人が歩いても行ける距離だと言うので、ダンナとふたり散歩がてら行ってみることにしました。
聴こえるのは僅かな人々の話し声と、波の音と風の音ばかり。
観光客も年配の方々が多く、道々でも走り回るお子様達にも出くわしませんでした。
そこにあったのは、ただただ寡黙な自然のみです。
私の鼓膜が、久々に思い切り風を吸って、深呼吸してるみたいに感じました。
さんさんと降り注いでくる日の光が暖かく、心地よかったです。
雨女の私ですが、今回は本当に天気に恵まれました。
一週間前の予報では雪マークだったので期待してなかったんですけれども…。
房総半島の最南端・野島崎に立っている野島埼灯台。南房総国定公園の中にあります。
「日本の灯台50選」に選ばれていて、国の登録有形文化財にも登録されているらしい…。
昇ることが出来るので(100段近くの螺旋状の階段を昇る!)行ってみました。
高所恐怖症のダンナは壁に貼りついていましたが、私は下を覗き込んだりして、真っ青な太平洋のパノラマを堪能しました。
灯台資料展示館も併設されています。

七福神を祭った厳島神社や、海人の航海安全を願う三峰神社などが周辺にあります。

ひたすら青い海と、黒い岩とのコントラストが美しい。

観光客もまばらで、不思議なことに何事にもあんなに「億劫」だった私が、あちこちに精力的に足を運びました。
まるで何かのスイッチが切り替わったかのようです。
ここでは何の「不安」も「焦燥感」も感じる必要がありません。
一旦ホテルに戻り、ダラダラした後、近くにスーパーがあることを調べておいたので再び出かける私たち。
そして温泉に浸かった後、夕陽を見ようと昼間に灯台の近くで見たこれ↓を目指してまたもや出かける私たち。

こんなに身体が軽く動くのは、もう本当に久しぶりです。
まるで何か重い荷物を下ろしたような感覚がずっとしていました。
風も穏やかでひたすら静寂…。

あーもう。暗くなっちゃうよ(間に合いませんでしたので、途中で一枚)

日も暮れた公園の中は、私たち二人のみ。
ここでの私は、耳栓も薬も要らない…そんな錯覚にさえ陥りそうな気持のいい空間でした。
幻想的な雰囲気を醸し出す夜の野島埼灯台。
ホテルからみんな写真を撮っていました。

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それは「どうしてもダメな時以外は耳栓をしない」…ということです。
普段の生活で私は、入浴時と外出して誰かと話さなければならない用事の時以外、常時耳栓を装着して暮らしています。
家にいる時は、外から漏れ聞こえる子供の嬌声や人の笑い声、そして上階からの物音が怖く、外出時はざわざわとした喧騒がダメで、あらゆる「音」に恐怖さえ感じて毎日びくびくと怯えて暮らしています。
この「聴覚過敏」の症状は、発病以前からあったものです。
うつの治療を始めても、こればかりは全く改善されることがなく、主治医に「一日のうち数時間でもいいから耳栓を外す努力をしてみて。」と言われていたのですが、なかなか出来ないでいたのです。
そのため、家でもダンナとコミュニケーションが取り辛い時もあり(ダンナは低い声でボソボソと喋るので、たまに何言ってるのか聞き取れない)、まあそんなに会話もない夫婦なので(笑)、何とか乗り越えているのですが。
(ちなみにダンナは私の耳栓にも触れることなく、見て見ないふりをしてくれている…と思います)
けれども。
敢えて観光名所ではなく人の少ない場所を選び、しかも平日であってそんなに喧騒に出くわすこともないだろうと思い、自分が「どうしても無理だ」と感じた時以外、初めて耳栓なしで過ごしてみよう、と思っていました。
「非日常」の中でなら、出来るかもしれない…そう考えていたのです。
その反面、「やっぱりダメかもしれないなあ」と尻込みしたり。
試してみようと決めてからは、毎日葛藤でした。
白浜は人も少なく、観光バスで大挙して押し寄せるツアー客もいません。ホテルでも子供連れのお客さんを見たのは食事の時に一回きり。ロビーも人で溢れかえって…という状態ではまるでありませんでした。
バスの中ではずっとiPodで音楽を聴いていたので、ほぼ耳栓をしていた状態と同じです。
ホテルに着いて私は恐る恐るイヤホンを外し、途端に飛び込んでくる様々な音に身を任せることにしたのです。
ホテルの近くに灯台がありました。
フロントの人が歩いても行ける距離だと言うので、ダンナとふたり散歩がてら行ってみることにしました。
聴こえるのは僅かな人々の話し声と、波の音と風の音ばかり。
観光客も年配の方々が多く、道々でも走り回るお子様達にも出くわしませんでした。
そこにあったのは、ただただ寡黙な自然のみです。
私の鼓膜が、久々に思い切り風を吸って、深呼吸してるみたいに感じました。
さんさんと降り注いでくる日の光が暖かく、心地よかったです。
雨女の私ですが、今回は本当に天気に恵まれました。
一週間前の予報では雪マークだったので期待してなかったんですけれども…。
房総半島の最南端・野島崎に立っている野島埼灯台。南房総国定公園の中にあります。
「日本の灯台50選」に選ばれていて、国の登録有形文化財にも登録されているらしい…。
昇ることが出来るので(100段近くの螺旋状の階段を昇る!)行ってみました。
高所恐怖症のダンナは壁に貼りついていましたが、私は下を覗き込んだりして、真っ青な太平洋のパノラマを堪能しました。
灯台資料展示館も併設されています。

七福神を祭った厳島神社や、海人の航海安全を願う三峰神社などが周辺にあります。

ひたすら青い海と、黒い岩とのコントラストが美しい。

観光客もまばらで、不思議なことに何事にもあんなに「億劫」だった私が、あちこちに精力的に足を運びました。
まるで何かのスイッチが切り替わったかのようです。
ここでは何の「不安」も「焦燥感」も感じる必要がありません。
一旦ホテルに戻り、ダラダラした後、近くにスーパーがあることを調べておいたので再び出かける私たち。
そして温泉に浸かった後、夕陽を見ようと昼間に灯台の近くで見たこれ↓を目指してまたもや出かける私たち。

こんなに身体が軽く動くのは、もう本当に久しぶりです。
まるで何か重い荷物を下ろしたような感覚がずっとしていました。
風も穏やかでひたすら静寂…。

あーもう。暗くなっちゃうよ(間に合いませんでしたので、途中で一枚)

日も暮れた公園の中は、私たち二人のみ。
ここでの私は、耳栓も薬も要らない…そんな錯覚にさえ陥りそうな気持のいい空間でした。
幻想的な雰囲気を醸し出す夜の野島埼灯台。
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