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「もうダメだ」は逃げじゃない

2015/11/25
昔、知り合いがうつ病になったことがありました。
私はそんなに深い付き合いをしていた訳ではない人だったので詳細は判りませんが、心療内科に通っているということでした。その人と親しくしていた別の友人は、どう接していいか困っていると言っていました。
「とにかくさー『がんばれ』は禁句なんだよね。」と、彼女はそればっかり言っていたように思います。

うつになった彼女は、明るく人当たりのいい優しい人で、とてもそんな風には見えなかったのでびっくりしたのを覚えています。
うつ病の人というと、暗く無表情で、うつむき加減にぼそぼそと喋り、人と目を合わせない…そんなイメージが当時の私の中にありました。なので彼女は「そんな風」には見えなかったのです。

けれども今では判ります。
彼女に何があったかは判りませんが、みんなの知らないところできっと随分苦しんでいたのでしょう。
それをおくびにも出さず、いつも明るく笑っていた優しい彼女は、ギリギリの精神状態で私たち外部と接触していたのかもしれません。
きっと同じような人がたくさんいると思います。
ギシギシと軋む心を押し隠して、薬を飲み飲み、オーバーワーク気味に仕事や家事をこなしてぐったりと疲れてしまう。
上手くいかないのは自分のせいだと責め、夜は眠れないままにまた朝が来る…そんな風に毎日毎日過ごしている人が、私の身の回りにもいたかもしれません。今もいるかもしれません。

会社を辞めてから、私の後に退職した元職場の同僚からメールが来ました。
彼女も実は心療内科に通っていたとあって、何とも言えない気持ちになりました。
凄く真面目で誰にでも優しく気配りをし、そして仕事の出来る人だったのです。
私たちはお互いの不調を押し隠して、毎日顔を合わせていたのでした。
私も彼女も、「頑張りすぎていた」のでしょう。

私が今通っている心療内科はネットで見つけました。
薬を山のように出すわけでもなく、カウンセリングを兼ねているような診察で、定期的に血液検査や心理検査もしてくれるので、助かっています。
別に口コミを調べたりはしませんでしたが、とにかく家からあまり近くもなく遠くもないところ。
何故あまり近くないところがいいかというと、万が一知り合いに会ったら嫌だったからです。
私は当時の壊れた頭でさえ、世間体を気にしていました。
「心療内科」に通ってるなんて言ったら周りになんて言われるだろう…と気にしていたのです。
「心療内科」がどういうところか判らず、そもそも自分の今の状態は「心療内科」に行けばいいのかどうなのかも判らない状態で、とにかくその時の自分を誰かに診てもらいたい、この酷い状況を分析して私に説明して欲しい…という気持ちでいっぱいでした。

病院は商業施設の中のワンフロアに入っていて、恐る恐るドアを開けると清潔で明るいところでした。
受付の人も看護婦さんも優しく穏やかな人ばかりで、先生は50代くらいの男の先生です。
堰を切ったように泣きながら喋りまくる私の話をふんふんと相槌を打ちながら、ずっと聞いていました。
そこで私は初めて、他人に向かって自分の気持ちを吐露したのです。
あれからもう、1年半になるんだなあ…としみじみ思います。

うつ病は「○○の数値が上がっているからうつ病です」のような、明確な判断材料がない病気です。
だから周りから理解を得るのはとても難しいと思います。
毎日毎日が辛くても、「気のせいだ」「みんなそうなんだから」「私がメンタル面で弱いだけなんだ」と、頑張り続けていると、いつか自分ではどうにも出来ないところまで運ばれてしまいます。

人と自分は違うのです。
人が大丈夫でも、自分には耐え難いことがあるのです。
それは決して自分が弱いから、劣っているからではないのです。
ひとりひとり抱えているコップの大きさも強度もまちまちで、入る水の量も人それぞれ違うのです。
いつまでも頑張り続けていると、許容量を超えて水は溢れてしまいます。
「もうダメだ」と最終的に判断を下すのは自分で、それは決して逃げるのでも、弱いからなのでもありません。
うつもひとつの病気なのです。

自分自身、調子の良い時にこういう風に考えられるようになるまでには、私は随分かかりました。
(波が来るとまだダメだけど…)
どんな時も見捨てずにいつも言葉を掛け続けてくれた友人、見守ってくれた家族、そして心療内科に通ってきちんと治療していること、全てのおかげだと思っています。

私はあの時、頑張るのをやめて(というか、やめざるを得なかった)「もうダメだ」と自分にジャッジを下したことが、今では本当に良かったと思っています。
「自分はおかしいのだから、病院に行こう」と決心したことが、今の状態に繋がっているのです。
もしもあのまま職場に留まって、「まだやれる。頑張れる」「ちょっと今おかしいだけなんだ」「上手く出来ないのは私が勉強不足だからだ」「やれるはずなんだ」…と踏ん張り続けていたら、最悪の事態を招いていたかもしれません。



心療内科でまた新しい検査をやることになりました。
沢山の質問に答えていくものは(名前忘れた)以前何度かやったんですが、今度は「SCT」というもの。

1448369638504.jpg

中身はこんな。

1448369656597.jpg

途中で終わってる文(刺激文というらしい)の続きを書いて、完成させます。
なるべく長く書いてねと言われたんだけど…60問もあるよー!!ひー!!( ;∀;)




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16:44 うつになって感じたこと | コメント(2)
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